星をおもいだしたからねとつぜん どうぞねむって

絵にひっしに星をつけたしていたときに、「星とりなさい!」と怒られたことがある。わたしにはそのときそのセリフがとっても素晴らしくおもわれて、もちろん怒られたのであたふたしていたし、ひっしに絵から星を除去していたのだが、それでも、「星とりなさい!」ということばはなんだかすてきに思われた。

そのひともいらいらしていたのかもしれない。なんでいまになってこのおとこ星をつけるのか、と。星とんなさいよ! と。

でも、なかなかじんせいで、「星とりなさい!」と怒られることってないんじゃないんだろうか。かたづけなさい! とか、なにぐずぐずしてるの! とか、あるくのはやいよ! とか、だれがかってにこのスープたべたの! とかはあっても。星のことで怒られるっていうのはあんまりないことなんではないか。

まあ、スープのことで怒られるのも、ちょっとすてきですね。木のスプーンもったまま、あぜんとして。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター