かっこいいテープカッターさがす旅

すてき、ってどういうことだろう。

すてき、ってなんだろう。

たとえば、いいね、ということばには反対に、よくないね、がありそうだが、すてき、には反対がなさそうだ。

すてきには、すてきというぜったいしかない。

すてき! というのはまるでいっしゅん、脳がくらくらするような感覚なのかもしれない。だから、それ、しかないもの。

脳のきらきら、といったらいいか。

ひとを好きになるとき、すてき、とおもい、すてきというぜったいのもと、すきになる。

でも、なんできらわれることがあるんだろう。

すてきはときどき効力をうしなうことがある。

山に棲んでいたすてきなひとがみんなにかつがれて山からおろされるように(それを「すてきおろし」と名付けよう)、とつぜん、嫌われて、別れてしまうこともある。

あんなにすてきだったひとがみんなにかつがれて山をおろされてゆく。すこしだけまだきらきらしつつ。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター