くせのある筋肉質のおおきな秋だ
樹木希林さんが「物の冥利」ということを言っていて、じぶんのからだの「物の冥利」もかんがえてちゃんとからだを使い切りたい、と言っていた。物には冥利があるからちゃんと物のぜんぶの価値をつかいつくす、という発想。つかいつくせないくらいならそれ以上持たないという発想。
断捨離をしようとおもって春にたくさん、気球を離陸させるときのマーク・トウェインのようにものを捨てたのに、秋になったらもっとものがふえている。わたしは樹木希林さんからなにも学べなかったのかとおもってがく然とする。
わたしにとって秋はかなしいのでもさびしいのでもなく、おおきいものだ。秋に、秋がおおきいものだと気づく。