でも前世のほうが水にちかかった

前世のひとも俺の前世だからやっぱり暗くて失敗もおおくてよく転んだり、むだな好奇心をたくさんかかえてケガしたりしていたのかなあとおもう。

もしくはうっかり前世なのにまだ生きていて、俺とこの時間軸でかぶってしまっているとか。俺と前世が共存してしまっているふしぎな時間軸。おれが失敗して寝込んだり、前世が失敗して寝込んだりしている不思議な時間軸。ときどきスーパーやコンビニで前世とすれちがう不思議な時間軸。でもおたがい気づかない。ぜんぜん。あいつが前世だって。あいつが現世だって。

でも。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター