この本は山頭火の入門編でもあります。
人生の岐路にたったとき、山頭火の句が私たちの心にぽっと灯りをともしてくれ、
「生きる力」となって、みなさんの心へ届きます。
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
どうしようもないわたしが歩いてゐる
風の中おのれを責めつつ歩く
(出典:種田山頭火著 山頭火ふるさと館編集『生きる力。【山頭火のコトバから】』/春陽堂書店刊)
「山頭火だってこうなんだから、私だってもっと頑張れる、頑張ろう。
前を向いて歩こう、と元気をもらった」と言う人がいます。
俳句という文学形式とは別に、山頭火のコトバとして受け取る人が増えています。
短文だからこそ余分な文字が排除され、力強い言葉として多くの人々の胸を打つようです。

作品紹介

山頭火はいったい私たちに何を残したのか、一筋の光とは何なのか、それをお伝えするのがこの本の大きな目的です。
山頭火が残した確かなもの、一筋の光、それを私たちは「生きる力」と捉えています。
山頭火が私たちに与えてくれる「生きる力」、その「生きる力」とは……
この本では、山頭火が伝えてくれる「生きる力」を次のように大きく五つに分けて、解説しています。
1.一人自分を見つめる
2.水の如く生きる
3.「死」をうたい「生」へ歩む
4.自然とともに暮らす
5.ふるさとを想う
(「はじめに」より)

『生きる力。【山頭火のコトバから】』著者:種田山頭火、山頭火ふるさと館(編集)(春陽堂書店)
山頭火は私たちに何を遺したか。時空を超えて、あらためて山頭火という人を捉えたとき、彼が残してくれた確かなものが一筋の光となって見えてくる。困難にぶつかり、くじけそうになった時、孤独でさみしい時、つらい時、悲しい時、生きていくことが虚しいと思った時。 山頭火の句は、心にぽっと灯りをともしてくれる。

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