未来ってなんだったっけ しろい道

道をうろうろしていたら間違えて慈恵医大の前にでてしまい、長い長い新米の看護師さんたちの列にでくわす。それは長く、さえぎることもできず、白く、みんな風の吹くなか、じぶんのからだを抱きしめながら、白く、あるいている。ちょっといろんなことを思い出す。かんたんな過去や未来のことを。

間違えて、ポイントになる場所に出てしまうことが多い。もしかしたらひとは間違えていつも核心をついてしまうのかもしれない。間違えて大事なことをいったり、間違えて大事なひとに会いにいったり、間違えて仕事をはじめたり、間違えて詩を書いたり。

婦長さんと手をつないでスーパーをあるいたことがあった。見つかっちゃまずいからね、という。隠し、隠し、魚や肉や本のまえを通る。スーパーを手をつないであるくかんじ。どこまでも。たったそこまでを。まちがえて。とおいね。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター