十二月助けてくれた霊たちと
さいきん、シーツの霊の映画を観たひとの話を聞いた。「幽霊とね、恋人しかでてこないんだよ」「ああ。へー」「こいびとをみている幽霊の時間がいように長いんだ。ねむっちゃってね。ねむって、おきても、まだみてたんだ、その幽霊、こいびとのこと」「そう」
「ぜんぶやりなおすかんじなんだよ」「しんでからやりなおすんだ」「幽霊って、時間がないんじゃないかな」「えっ」「じかん」
なんでクリスマス・キャロルで、三人のゴーストたちはあんな意地の悪いスクルージを助けることに決めたのかなあとおもう。もっと助けてもらいたい善人たちがたくさんいたんじゃないか。どうして三人はあのひとりの老人のために時間とてまをついやしたのかなあとおもう。幽霊たちのやさしさ。幽霊たちとクリスマスに過ごしたふしぎな時間。
わたしたちにはやり直すための時間がある。いきてるひととも、しんだひととも、やりなおす。
「シーツの幽霊になってもずっとまた家で待ってるんだよ。なにを待ってんのかはわかんないんだけどね。待ってんの」
待っている、と言う。