目がくりくりのかわいい二日
相米慎二監督の映画「あ、春」を観ていたら、佐藤浩市さんがぷかぷか浮かぶ舟にのりながら海にむかって「ながすぎるだろ!」とさけんでいた。
たしかに、じんせいながいよなあ、とおもうことがある。ちょっとおもってたよりもながいよなあ、と。
十代のころにもうしぬんじゃないかなあとかってにおもっていたことがあった。まわりもなんだか、きっかけさえあればあのひとはしんだほうがいいかもなあ、とおもっていたようなかんじもあった。しぬんかもなあ、とわたしはおもった。
でもしなないで、しなないどころか、だんだんいろんなことを、老いもふくめて、経験していて、ながすぎるだろ、とおもう。
なにかが希望のようにまちがって、どんどんながくなっていく。