「ねむいしね、おへそがかゆいね。きのうくらいからおへそがかゆいね」
なんかこう、なんていうか、なんていえばいいのか、あいてがなにげなくじぶんに言ってきたひとことが、うーん、なんだかあなたのそのひとことって川柳なんじゃないの? とおもうしゅんかんがある。
でもそんなのは狂気かもしれない。〈それって川柳なんじゃないの?〉というのは狂気かもしれない。
でも、そうおもえてしかたないことがある。岩松了さんがかつてこんなことを言っていた。表現というのは、世界中のにんげんが「このポストは青い」と思っても、それでも「このポストは赤いんですよ」と言い張ることだと。
川柳のことをなにもしらず、読んだこともつくったこともないのに、川柳をつくってしまったひとがいたら、どうしよう。そのとき、おおきなたも網をわたしがぶんとふりまわして、それを川柳として掬ってしまったらどうしよう。
よくそんなことをかんがえる。