「再会に入りますよ」あなたを知っている
禅の公案に、「片手で音を鳴らせ」という問題があった。両手じゃなくて、片手だけで拍手しろ、と。
たしかひとつの答え方は、片手を無言でつきだすだったとおもう。
そこには、鳴るか鳴らないかが問題じゃないというつきぬけたかんじもある。鳴らしても、鳴らさなくてもどっちでもいい。音ってそういうもんじゃないんだ、と。
だからもっと言えば、出題してきたひとを無言で殴ってもいい。そのパンチが正解だったりもする。ことば、じゃなくて。禅ではよく答え方として相手を殴ったり斬ったりしているけれど。
なにかをしなくちゃいけない、どうするか、と迷ったとき、しなくていい、という答えももっていたい。どっちにするべきか、というときに、どっちでも正解、という答えを。
石にかつんとつまずいたときに、その「かつん」がとつぜん答えになってしまうこともある。ことば、じゃなくて。