獅子舞の中から小鳥たちを見る

NHKの日曜美術館のフェルメールの回をみていたら、フェルメールの絵って、覗いたときの空間なんですよね、ということばがあった。

ふっと覗いて、なにかがきゅうに始まって、それはまたきゅうに終わるかもしれない、短い時間の空間。それがフェルメールの絵だという。

キェシロフスキの映画『愛に関する短いフィルム』では、覗きあうことによって愛がつむがれていく。のぞきは、ふだんの眼以上のものをもたらしてくる。みる空間をちいさくするのに、眼をふとらせてゆく。

「さいきん、眼がふとってしかたなくて」ということばを電車の中で聞いたことがある。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター