獅子舞の中から小鳥たちを見る
NHKの日曜美術館のフェルメールの回をみていたら、フェルメールの絵って、覗いたときの空間なんですよね、ということばがあった。
ふっと覗いて、なにかがきゅうに始まって、それはまたきゅうに終わるかもしれない、短い時間の空間。それがフェルメールの絵だという。
キェシロフスキの映画『愛に関する短いフィルム』では、覗きあうことによって愛がつむがれていく。のぞきは、ふだんの眼以上のものをもたらしてくる。みる空間をちいさくするのに、眼をふとらせてゆく。
「さいきん、眼がふとってしかたなくて」ということばを電車の中で聞いたことがある。