二番目でくらいひとだったあかるいひとだった
倉持裕さんの戯曲『ワンマン・ショー』には、弾力のあるボタン、が出てくる。それはスイッチのボタンなのだが、とってもだんりょくがある。
そのスイッチのだんりょくにとてもひかれた。それはなにかのスイッチになっている。だからそのスイッチを押せばなにかがはじまってしまう。それを押すにんげんにたしかめさせるように肉感のようにスイッチにはだんりょくがある。
『ワンマン・ショー』はふしぎな話だが、もしひとことでまとめるなら、嫉妬の話と言ってもいいかもしれない。嫉妬が倍増してゆく話。増えすぎた嫉妬が錯綜してゆく話。
そしてその多様な嫉妬が交錯するなかで、スイッチにだんりょくがある。
わたしはこの『ワンマン・ショー』にすごく惹かれた。当時、嫉妬ってなんだろうと、かんがえつづけていたからかもしれない。
嫉妬は、だんりょくがあるスイッチにも似ている。押したときのてごたえはおおきい。押したこともわかるし、記憶もやきつけられる。そして、ふしぎでぶきみなてごたえがある。
わたしたちはどうしても二番目をかかえざるをえない。それは順番じゃなくて、感覚だとおもう。二番目という感覚。そしてあの嫉妬がやってくる。
『ワンマン・ショー』にこんなセリフがある。「これは二番目に好きな曲よ。わたしがいちばん好きな曲がかかるとおもったのに」