ふーんがゆきかいする ふたりのあいだで

あんまり、ひとに、なんで? ときいたことがない。

なにか話をきいても、なんで? ともおもわない。ふーん、とおもってしまう。どんなに重たいことも軽いことも。

この世界にはなんでもあるから、とおもってしまうから。どんなことでもおこりうるって。

だから、博士にはなれない。なんで? が博士の出発点なんだったら。

ふーんの王様にはなれるかもしれない。ふーんの末裔とか。

話きいてるの? ともよくいわれる。ちゃんときいてるが、ふーんを大事にしているのか、ふーんと答えてしまう。むかし、試験の解答欄にも、ふーん、と記入したことがあった(これは冗談です)。

ふんふん、とは言ったことがない。こんど、ふんふん、と言ってごらん、と言ったひとがいた。ふんふんと、いえ。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター