バレンタインだんだんこわくなるふたり
むかしはよく「ひとり」ってなんだろう、この「ひとり」がどこまでもずーっと続いていくんだろうか、とかんがえていた。
いまでもひとりだけれど、さいきんはよく「ふたり」ってなんだろうとかんがえている。なんとなく、ひとりで生きてるわけでもないんだなということがわかってきて。
でも、ふたり、ってなんだろう。ふたりしか入れない部屋を、わたしやだれかが出たり入ったりする。ときどき、「そうだね」というし、ときどき、「なんなの」という。なんでもないことばがとびかうなかで、だんだんふたりでいることが、こわくなってくる。