たんぽぽのわたげ意味に弱くなる

意味のないものには強いというわけじゃないけれど、意味のあるものに弱い。意味の圧、のあるものに。たとえば、じぶんごと、とか。本屋や図書館とか。意味の泉だ。

手紙なんかもよわい。あなたにこの意味をつたえたいんです、と確実に家にむかってまっしぐらにやってくる手紙。あけてないものがたくさんあるので、そのうち怒られるかもしれない。

本もときどきおそろしくなる。かくじつにわたしの家にやってくる紙と意味。どうしてもこれを見せたいとひとは紙に意味をのせてほんをつくる。わたしたちはヘンゼルとグレーテルにはなれなかったので、本はいつまでたってもお菓子にはならない。

だから、現況、

弱点:意味のあるもの

となっている。なってしまった。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター