天国が発見されたとの報せ

気が抜けた炭酸のように街をふらふら歩いていたら、落とし物を落としたひとのすぐ後を追いかけてひろったものをむっと突き出しているひとがいた。落としたひととひろったひとは軽く会釈してまたぱっと別れる。不注意と善意からのしゅんかん的な出会いと別れ。

ぼんやり歩いているだけなのに、街には善意があるいてる。 

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター