岡本行夫「海の写真館」

2020年4月24日、新型コロナウイルス感染症の肺炎で急逝した外交評論家・岡本行夫さん。
彼は40年にわたり、紅海に潜り続けて美しい写真を撮ってきました。
その一部を収めたのが、ここに紹介のフォト小説『ハンスとジョージ 永遠とわの海へ』です。
ここに、故・岡本さんを偲んで、岡本行夫「海の写真館」を設けます。
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“ブルー・イン・ブルー・イン・ブルー
紅海は青い。
とてつもなく青い。“
美しい出だしでスト-リーが始まる


なんて美しいレッドシーラクーンバタフライフィッシュ
代表的な海洋性熱帯魚だ(左頁)
紅海・シナイ半島最南端のこの海でナポレオンフィッシュのジョージは生れた
老ダイバーも同じ海に潜っていて、ジョージと出会うことになる


ナポレオンフィッシュのジョージ
ジョージはツバメウオがダイバーにもりで撃たれ、苦しむ様子を見る
初めて「怒り」の感情が燃え上がるのだ


自分たち魚を殺す人間を許せないジョージ
だが、仲間は人間を追い出そうという呼びかけに応じない
孤独感が増していく




“おまえに聞えたのは、神の声だよ。外の世界を見ておいで”
ハンスに勧められて慣れ親しんだ紅海を出る決心をするジョージ
2000キロ以上をめざす孤独な旅だ




若いダイバーに水中銃で撃たれて沈んでいくナポレオンフィッシュのジョージ
ハタタテダイの群れがついていこうとするが……
ジョージが最後の時を迎えてその耳に聞えてきたのは、あのハンスの声だった
そしてハンスも天に召される
家族の愛をうたい上げる感動のラストに涙が止まらない



フォト小説『ハンスとジョージ 永遠とわの海へ』(春陽堂書店)岡本行夫・著
本のサイズ:A5判/並製
120頁/オールカラー
発行日:2021/2/10
ISBN:978-4-394-55000-6
価格:1,980 円(税込)

著者紹介

岡本行夫(おかもと・ゆきお)
1945年、神奈川県出身。一橋大学卒業後、外務省入省。 1991年に退官し岡本アソシエイツを設立。橋本内閣、小泉内閣と2度にわたり首相補佐官を務める。 MIT国際研究センターシニアフェロー。立命館大学客員教授。東北大学特任教授。外交評論家として国際情勢を分析、執筆・講演・メディアなどで幅広く活動。趣味は海中写真撮影
公式ウェブサイト https://www.yukio-okamoto.com/