365日ずっと運命

ともだちが、「なんのためにともおもわない。どうでもよくなるの、ときどき、ぜんぶ」といっていて、「ぜんぶ、っていいね。ふしぎなことばだね」とわたしはいった。
ぜんぶ、ときいて、アンゲロプロスの『永遠と一日』を思い出した。永遠と一日。永遠と一日ということばがであっちゃった場合、もう永遠と一日っていうしかないよなあとおもう。それはであっちゃったんだから。
えいえんにいちにちがくっついてんです、そういう感覚でそのひとにであったんです、えいえんにずっとつづいて、でもたったいちにちできょうおわるんです、そういうふうにそのひととであったんです。そして時間はいつも永遠と一日なんです。ずっとつづいてきょうおわる出会いなんです。
そういうふうにいうしかないよなあとおもう。なにをかんがえているの、とともだちがきいてくる。ずっとつづくことときょうおわることについてわたしはかんがえている。


『もともと予報』(春陽堂書店)柳本々々(句)・安福 望(イラスト)
2019年5月から好評連載中『週刊もともと予報-ことばの風吹く-』がすてきなポストカードブックになりました! 24綴りとなっております。1枚ずつ切り離して飾るもよし、大切な方へのお便りに使うもよし、当連載と併せてお楽しみください。


『バームクーヘンでわたしは眠った もともとの川柳日記』(春陽堂書店)柳本々々(句と文)・安福 望(イラスト)
2018年5月から1年間、毎日更新した連載『今日のもともと予報-ことばの風吹く-』が本になりました。365句の中から104句を厳選。
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この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)
1982年、新潟県生まれ 川柳作家 第57回現代詩手帖賞受賞
安福 望(やすふく・のぞみ)
1981年、兵庫県生まれ イラストレーター