衝撃的な≪裏≫日本史、ここにあり!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2024年8月の新刊、半村良『裏太平記』のご紹介です。

『裏太平記』

『裏太平記』表紙イラスト

鎌倉時代末期。貨幣経済が少しずつ浸透する中、未完成の武士政権を横目に、朝廷は諍いを抱えながらも安閑に過ごしていた。後に『徒然草』で有名になる吉田(卜部)兼好は、官位は上がらない家柄だが持ち前の知性を買われ公家の堀川家に仕えていた。ある日兼好は、風変わりな集団を率いる謎の僧・無名と出会う。無名は世の中を変える「下剋上」を唱えて精力的に活動し、それはやがて歴史を一変させる奔流となってゆくが、実はその裏には兼好法師が率いる「陰の軍団」の影響があったという……。
伝奇ロマンの名手が描く、普通の歴史書には決して載らない、衝撃的な歴史の裏面。
『裏太平記』(春陽堂書店)半村良・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2024/8/26
ISBN:978-4-394-90494-6
価格:1,320 円(税込)
著者紹介
半村 良(はんむら・りょう)
昭和8(1933)年、東京都葛飾区に生まれる。高校卒業後、30近い職業を経験した後、広告代理店に勤務。昭和37(1962)年『収穫』で第2回SFコンテストに入賞する。翌年、日本SF作家クラブ発足と同時に事務局長に就任。昭和48(1973)年『産霊山秘録』で泉鏡花文学賞受賞。昭和50(1975)年『雨やどり』で第72回直木賞を、昭和63(1988)年『岬一郎の抵抗』で日本SF大賞を受賞するなど、多くの作品を遺し、平成14(2002)年死去。