戦前、江戸川乱歩と人気を二分した本格派の重鎮の中篇傑作集!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2024年9月の新刊、甲賀三郎『盲目の目撃者』のご紹介です。

『盲目の目撃者』

『盲目の目撃者』表紙イラスト
(装画・横尾忠則)

嵐で沈没した客船ブラジル丸から奇跡的に救出された船医の井田は、帰国後、酒浸りの無為な日々を送っていた。彼はカフェで出会った謎の青年の依頼で、もう一人の生存者である富豪の相続人・民谷清子を訪ね、殺人事件に巻き込まれてしまう……。二転三転する事件の意外な結末とは?
他に「山荘の殺人事件」「隠れた手」を併録。さらに横溝正史のエッセイ「好敵手甲賀・大下」も収録。

 ≪収録内容≫
 「盲目の目撃者」
 「山荘の殺人事件」
 「隠れた手」
 好敵手甲賀・大下 横溝正史
 「盲目の目撃者」覚え書き 日下三蔵
『盲目の目撃者』(春陽堂書店)甲賀三郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2024/9/26
ISBN:978-4-394-98011-7
価格:1,045 円(税込)
著者紹介
甲賀 三郎(こうが・さぶろう)

1893(明治26)~1945(昭和20)年。本名・春田能為。滋賀県生まれ。東京帝国大学工学部卒。農商務省臨時窒素研究所に技師として勤務する傍ら探偵小説を精力的に発表。1923(大正12)年、「真珠塔の秘密」でデビュー後、短篇「琥珀のパイプ」「ニッケルの文鎮」、長篇『支倉事件』『乳のない女』『姿なき怪盗』など、夥しい作品を発表して人気を博した。1928(昭和3)年から作家専業。謎解き重視の「本格」を提唱したが、自身の作品はサスペンスものが多い。