幻の第4回を初出誌から収録した入手困難のオリジナル版、待望の復刊!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。時代小説とともに幾作も出版してきた“探偵小説”第一弾、横溝正史『死仮面』のご紹介です。

『死仮面』

『死仮面』表紙イラスト
(装画・横尾忠則)

「八つ墓村」事件を解決した金田一耕助は、岡山県警の磯川警部から駅前のマーケットで起きた奇妙な事件の話を聞く。殺人容疑者の女が腐乱死体で発見され、現場には石膏のデス・マスクが残されていたというのだ。やがて舞台を東京に移した「死仮面」事件の謎に、金田一耕助が挑む!
初文庫化短篇「黄金の花びら」併録。さらに著者直筆の訂正が入った草稿を写真版で特別収録した決定版!

 ≪収録内容≫
 「死仮面」〔オリジナル版〕
 「黄金の花びら」
 横溝正史における改稿の意欲—『死仮面』の場合 山口直孝
 「死仮面」草稿(二松学舎大学所蔵横溝正史旧蔵資料)
 「死仮面」〔オリジナル版〕覚え書き 日下三蔵
『死仮面』(春陽堂書店)横溝正史・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2024/9/26
ISBN:978-4-394-98010-0
価格:1,100 円(税込)
著者紹介
横溝 正史(よこみぞ・せいし)

1902(明治35)~1981(昭和56)年。本名・正史(まさし)。神戸市生まれ。大阪薬学専門学校卒。1921(大正10)年、「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。26年に江戸川乱歩の勧めで上京し博文館に入社。32年から作家専業となる。疎開先の岡山県で終戦を迎え、48年には『本陣殺人事件』で第一回探偵作家クラブ賞を受賞。以後、『獄門島』『八つ墓村』などの本格長篇を次々と発表した。71年から旧作が角川文庫に収録されると国民的横溝ブームが巻き起こり、それを承けて最晩年まで新作を発表し続けた。