泉鏡花生誕150年を記念し、「繪本辰巳巷談」を限定復刻!


春陽堂書店では、この度<泉鏡花生誕150年>を記念し、鏡花の名作繪本えほん辰巳たつみ巷談こうだん復刻のためのクラウドファンディングを2024年9月に引き続いて再び実施することになりました。

近代における幻想文学の先駆者・泉鏡花

泉鏡花は、明治後期から昭和初期にかけて活躍し、幻想的な作風と絢爛たる文体で知られています。代表作『高野聖』をはじめとして、300篇以上の作品を世に送り出しました。明治11年創業の春陽堂書店とは深い関わりがあり、鏡花はかつて春陽堂が発行していた『新小説』で社員として編集に携わっていました。さらに、『婦系図』や『粧蝶集しょうちょうしゅう』、『銀燭集ぎんしょくしゅう』など、彼の代表作や美装本の多くが春陽堂から刊行されており、両者の関係は鏡花文学の発展において重要な役割を果たしました。

『繪本辰巳巷談』とは

泉鏡花が明治31(1898)年に春陽堂の文芸雑誌「新小説」第三年第二巻で発表した短編小説「辰巳巷談」を、稀代の意匠家・小村雪岱の装幀で大正9(1920)年秋に同じく春陽堂で「繪本」として単行本化したのが『繪本辰巳巷談』です。
鏡花も所属していた硯友社の文化人たちが好んだという洲崎の遊郭にいた花魁の悲恋を描いた、鏡花らしい情念に満ちた作品で、斬新な口絵や小村雪岱の装幀と相まって、鏡花ファンに非常に人気があります。鏡花がものがたり、中村不折・富岡永洗・鈴木華村・下山爲山・水野年方・揚州周延そして小村雪岱が画を描き、彫琢した、絢爛華麗な一冊です。

『繪本辰巳巷談』
2024年12月刊行予定
著者/泉鏡花 装幀・挿画/小村雪岱
菊判・290頁 色摺木版挿画7点収録 定価5,500円(本体価格 5,000円+税) 

『繪本辰巳巷談』クラウドファンディングのご案内

【スケジュール】※変更の可能性があります
 2024年11月22日(金):クラウドファンディング開始
 2024年12月31日(火):クラウドファンディング終了
 2025年2月:返礼品送付開始(予定)
【リターン】※一部変更の可能性があります
ご支援いただいたリターンとして、雪岱の挿絵を使用したレターセットやクリアファイル、小社出版書籍などをご用意しています。

≪主なリターン≫
・『繪本辰巳巷談』
・オリジナルグッズ(便箋セット、クリアファイル、Tシャツなど)
・小社刊『明治文学の彩り 口絵・挿絵の世界』   ほか

≪プレミアムコース≫リターンのご紹介
【非水百花譜「さざんくわ(山茶花)」】
昭和4年に春陽堂から刊行された木版画作品「非水百花譜」を数量限定で蔵出しします。
プロジェクトの目玉となるリターンとして、プレミアムコースをご支援いただいた方に「さざんくわ(山茶花)」(定価 30,000円 ※税込)をお届け!
※こちらは額装してお届けします。

非水百花譜「さざんくわ(山茶花)」

『繪本辰巳巷談』を横に並べました
「さざんくわ」の大きさと迫力が伺えます
「写実ではありながら計算された構図や大胆な省略」が実感できる、
鮮やかな発色の美しい作品です
※色の見え方はサイトの閲覧環境で若干異なります

杉浦非水(明治9〜昭和40年)
愛知県松山市生まれ。近代日本におけるグラフィックデザイナーの先駆者。三越呉服店(現三越)の図案部主任としてPR誌を手がけ、広告ポスター、装丁など代表作を数多く残している。
「非水百花譜」とは
杉浦非水による草花写生図集(木版画)。写実ではありながら、計算された構図や大胆な省略は非水のデザイン性の高さを示すものとして評価が高い。
プロジェクトの詳細、クラウドファンディングへのご参加はこちらから。

※READYFOR(外部サイト)プロジェクトページへ移動します。

春陽堂書店は、明治11年に創業し、夏目漱石や森鷗外といった文豪をはじめ、泉鏡花、江戸川乱歩、横溝正史などの多くの人気作家の作品を手掛けてきた老舗出版社です。
現在も、『山頭火全集』や『合作探偵小説コレクション』、そして新たな装いで展開している春陽文庫など、多彩な出版活動を続けています。
このたび、春陽堂とも大変縁深かった泉鏡花の代表作である『辰巳巷談(古書)』の復刻本を制作するため、クラウドファンディングに挑戦することとなりました。皆さまからのご支援をお待ちしております。


連載『泉鏡花と春陽堂』

★小社メディアサイトでは泉鏡花と春陽堂との関係を記した連載『泉鏡花と春陽堂』を公開中です。
 こちらも是非ご一読ください。

連載『泉鏡花と春陽堂』

連載『泉鏡花と春陽堂』より