謎の美少年や美女が登場する妖しい世界!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2024年11月の新刊、夢野久作『暗黒公使ダーク・ミニスター』のご紹介です。

『暗黒公使』

『暗黒公使』イラスト
(装画・横尾忠則)

大正九年のある日、警視庁で鬼課長と言われた狭山九郎太の元を、蝋人形のように真っ白な美少年、呉井嬢次が訪れた。ニューヨークからやって来た呉井は、狭山の助手希望で、以前はバード・ストーン曲馬団に属していたという。だが、その曲馬団は、帝都を震撼させた「暗黒公使事件」に関わっていたのである……。
表題作のほか、四方田犬彦氏講演録「よみがえる夢野久作」から「『暗黒公使』の世界」の章を再録。

≪収録内容≫
「暗黒公使」
<巻末資料>
 『暗黒公使』の世界 四方田犬彦(評論家)
『暗黒公使』覚え書き 日下三蔵
『暗黒公使』(春陽堂書店)夢野久作・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2024/11/25
ISBN:978-4-394-98012-4
価格:1,320 円(税込)
著者紹介
夢野 久作(ゆめの・きゅうさく)

1889(明治22)~1936(昭和11)年。本名・杉山泰道。福岡県生まれ。慶應義塾大学予科文学科中退。父は国士として知られた杉山茂丸。家業の農園経営、「九州日報」記者などを経て、1926(大正15)年、「あやかしの鼓」で探偵作家としてデビュー。“夢野久作”は福岡の方言で「夢ばかり見ている人」の意。日本三大奇書のひとつに数えられる「ドグラ・マグラ」をはじめ、「いなか、の、じけん」「死後の恋」「瓶詰の地獄」「押絵の奇蹟」「氷の涯」「少女地獄」など作品多数。