乱世を生きた女たちの物語!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2025年2月の新刊、皆川博子『乱世玉響-蓮如と女たち-』のご紹介です。

『乱世玉響-蓮如と女たち-』

『乱世玉響-蓮如と女たち-』表紙イラスト

室町中期、やさしく宗旨を説くことで幅広い民衆の帰依を得て強大な浄土真宗の基盤を作り上げた、中興の祖・蓮如。彼は85歳で没するまでに5人の妻をめとり、27人の子をもうけたという。その娘のひとり・万寿は、お上人様の子と周囲にかしずかれながらも疎外感と空虚さを抱えていたが、避難先の堅田で湖賊の娘・乙女と出会い、少しずつ変化してゆく。
度重なる他宗からの攻撃、戦乱、そして父・蓮如に翻弄されつつ、万寿はみずからの生きる道を模索してゆく。少女たちの透明なまなざしを通して蓮如とその時代を描く時代長篇。

『乱世玉響-蓮如と女たち-』(春陽堂書店)皆川博子・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2025/2/26
ISBN:978-4-394-90501-1
価格:1,320 円(税込)
著者紹介
皆川 博子(みながわ・ひろこ)

昭和4(1929)年、京城に生まれる。1972年、少年向け時代小説『海と十字架』でデビュー。1973年、「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞を受賞して本格的に活動を開始。推理小説、幻想小説、時代小説、西洋歴史小説の各ジャンルを横断して多彩な作品を数多く発表している。日本推理作家協会賞、直木賞、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞、本格ミステリ大賞、日本ミステリー文学大賞、毎日芸術賞、第34回紫式部文学賞を、それぞれ受賞。