実業家の怪死、兜島をめぐる謎、彷徨う怪青年!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2025年5月の新刊、蘭郁二郎『白日鬼』のご紹介です。

『白日鬼』

『白日鬼』表紙イラスト
装画・横尾忠則

晩秋のある日、久しぶりに原稿が売れた文士の河村は、銀座裏の喫茶店ルージュで同席した美少女にひと目惚れする。その夜、銃声を聞いた河村が警官と現場に駆け付けると、伊豆の兜島開発で世間を賑わせている兜島新興株式会社の海老澤社長が怪死していた! 奇怪な連続殺人の舞台は、やがて孤島へと移って……。
巻末資料に、「探偵文学」編輯後記ほか、江戸川乱歩、海野十三のエッセイなど多数収録。

≪収録内容≫
「白日鬼」
蘭郁二郎・イン・「探偵文学」「シュピオ」
巻末資料
『白日鬼』覚え書き 日下三蔵
装丁・柳川貴代
『白日鬼』(春陽堂書店)蘭郁二郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2025/5/23
ISBN:978-4-394-98018-6
価格:1,375 円(税込)
著者紹介
蘭 郁二郎(らん・いくじろう)

1913(大正2)~1944(昭和19)年。本名・遠藤敏夫。東京生まれ。東京高等工学校電気工学科卒。1931年、「探偵趣味」の懸賞に掌篇「息を止める男」が入選してデビュー。35年、「探偵文学」の創刊に参加して、「夢鬼」「魔像」などの探偵小説を発表。同誌が「シュピオ」と改題してからも同人として編集に参加した。38年から科学小説を書き始め、『地底大陸』『海底紳士』などのSF作品で人気作家となる。44年、海軍報道班員としてインドネシアへ向かう途中、飛行機事故で死去。