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著者:中村裕
本のサイズ:四六判/並製
発行日:2012/9/1
ISBN:978-4-394-90292-8
価格:1,540 円(税込)
将来を嘱望されながら、戦後中央俳壇には戻らなかった俳人・渡邊白泉(わたなべはくせん)。再評価されつつある白泉の全俳句作品千三百句の中から百句を選び、それぞれに解説と付した選集。昭和初年、硬直した俳句の世界を脱して、俳句表現の新地平をめざした若者たちがいた。彼らのエネルギーは新興俳句運動に結集していく。そのトップランナーとして、この運動を強力に牽引したのが渡邊白泉(わたなべはくせん)。その批判精神と詩的感受性をもって、実作のみならず評論でも、めざましい活躍をみせる。しかし昭和15年、軍事体制化を急ぐ国家による弾圧で、暴力的にこの運動は終息させられるのである。戦後、白泉は俳壇と距離を置いたこともあって、彼に師事した三橋敏雄によって『渡邊白泉全句集』が編まれるまでは、ほとんど忘れられた存在となっていた。本書では白泉の句業を見わたすことで、彼がどのように時代と対峙し、どのように俳句表現の可能性を広げようとしたかをさぐる。
中村裕 1948年、北海道生まれ。フリーランスの編集者、ライターとして、平凡社、文藝春秋、小学館などの各種書籍、雑誌、国語辞典の企画制作にたずさわる。 著書に『ビジュアル・コミュニケーション』(共著、ダヴィッド社)、『やつあたり俳句入門』、『俳句鑑賞450番勝負』(ともに文春新書)、『名句で味わう 四季の言葉』『究極の日本語クイズ』(ともに小学館)など。 1988年から2001年まで俳人の三橋敏雄に師事、句集に『石』(鞦韆堂)がある。