株式会社春陽堂書店は、信念を貫いた生き方で多くの人びとに感動を与えた文化人・表現者を顕彰する「種田山頭火賞」の第六回受賞者に、桃井かおりさん(俳優)を決定しました。
授賞式は、2023年10月20日(金)日本出版クラブの出版クラブビル(東京・千代田区)にて行われました。

第六回受賞者決定!〔 桃井かおりさん(俳優)〕

自分の理想を求めて行乞流転の旅に生き、信念を貫いた漂泊の俳人・種田山頭火。その全集をはじめ数多くの書籍を刊行してきた春陽堂書店は、 創業140年の記念事業として2018年9 月に「種田山頭火賞」を創設しました。
選考委員に山田五郎さんと中江有里さんを迎え、山頭火の生き方を彷彿とさせる人を現在に探し顕彰します。
第六回種田山頭火賞の受賞者は、俳優にして映画監督、歌手、プロデューサー、デザイナー、エッセイストなど多くの顔をもつ桃井かおりさんに決定いたしました。

第六回種田山頭火賞授賞式受賞者

第六回種田山頭火賞授賞式より (左から)中江有里さん、第六回種田山頭火賞受賞者・桃井かおりさん、山田五郎さん

【受賞者プロフィール】


桃井 かおり(ももい・かおり)
東京生まれ。12歳で英国ロイヤルバレエアカデミーに留学。文学座附属演劇研究所を経て、1971年「あらかじめ失われた恋人たちよ」で映画デビュー。2005年、ロブ・マーシャル監督の「SAYURI」でハリウッドデビュー以降、海外作品にも出演。2007 年には自身の短編小説を映画化した「無花果の顔」で長編監督デビュー。ベルリン国際映画祭でNETPAC賞受賞。2016年、「火HEE」でロサンゼルス日本映画祭監督賞受賞。歌手、プロデューサー、デザイナー、エッセイストなど多くの顔をもつ。2008年紫綬褒章、2022年旭日小綬章受章。

種田山頭火賞 とは

漂泊の俳人・種田山頭火の全集や書籍を多く刊行してきた株式会社春陽堂書店により、創業140年の記念事業として2018年9月13日に「種田山頭火賞」は創設されました。
今年で没後80年、自然に親しみ酒を愛し、自分の理想を求めて行きつ戻りつしながら信念を貫いた山頭火。そんな生きざまを彷彿とさせる人を現代に探し顕彰することが本賞の目的です。
選考委員には山田五郎さんと中江有里さんをお迎えしました。これまでの受賞者は、第一回が麿赤兒さん(舞踏家・俳優)、第二回が伊藤比呂美さん(詩人・小説家)、第三回が碓井俊樹さん(ピアニスト)、第四回が夏井いつきさん(俳人)、第五回がロバートキャンベルさん(日本文学研究者)。

種田山頭火賞 選考委員のご紹介

山田 五郎さん

(やまだ・ごろう)編集者・評論家
1958年東京都生まれ。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1 年間遊学し西洋美術史を学ぶ。卒業後、㈱講談社に入社『Hot-Dog PRESS 』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど、幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。
著書に『百万人のお尻学』(講談社+α 文庫)、『知識ゼロからの西洋絵画入門』(幻冬舎)、『知識ゼロからの西洋絵画史入門』(幻冬舎)、『銀座のすし』(文藝春秋)、『ヘンタイ美術館』(ダイヤモンド社) 、『人生を面白くする「好きになる力」』(海竜社)、『知識ゼロからの西洋絵画困った巨匠たち対決』(幻冬舎)、『大人のための恐竜教室』(ウェッジ)、『へんな西洋絵画』(講談社)、『知識ゼロからの近代絵画入門』『真夜中のカーボーイ』(以上、幻冬舎)、『闇の西洋絵画史』全10巻(創元社)、『機械式時計大全』(講談社)、『世界一やばい西洋絵画の見方入門』『世界一やばい西洋絵画の見方入門2 』(以上宝島社)。TV『出没!アド街ック天国』(テレビ東京)他レギュラー出演中。ラジオ『山田五郎と中川翔子のリミックスZ 』(JFNJFN)他レギュラー出演中。

中江 有里さん

(なかえ・ゆり)女優・作家・歌手
1973年大阪府生まれ。法政大学卒。89年芸能界デビュー。NHK朝の連続テレビ小説『走らんか!』ヒロイン、映画『学校』、『風の歌が聴きたい』などに出演。NHK BS2
『週刊ブックレビュー』で長年司会を務めた。読書に関する講演、小説、エッセイ、書評も多く手がける。著書に小説『わたしたちの秘密』(中公文庫)、『水の月』(潮出版社)、『万葉と沙羅』(文藝春秋))など。2023年7月Newシングル「二人の掟」リリース。文化庁文化審議会委員。天理大学客員教授。

種田山頭火賞 歴代受賞者

【第五回】
ロバートキャンベル
日本文学研究者
早稲田大学特命教授
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)顧問
東京大学名誉教授
ニューヨーク市出身。専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を行う。 主な編著に『日本古典と感染症』(角川ソフィア文庫、編)、『井上陽水英訳詞集』(講談社)、『東京百年物語』(岩波文庫)、『名場面で味わう日本文学60選』(徳間書店、飯田橋文学会編)等がある。
YouTubeチャンネル「キャンベルの四の五のYOUチャンネル」配信中。



【第四回】
夏井いつき(なつい・いつき)
昭和32年生れ。松山市在住。8年間の中学校国語教諭の後、俳人へ転身。
「第8回俳壇賞」受賞。俳句集団「いつき組」組長。創作活動に加え、俳句の授業「句会ライブ」、「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。
TBS系「プレバト!!」俳句コーナー出演などテレビラジオでも活躍。
松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」、朝日新聞愛媛俳壇、愛媛新聞日曜版小中学生俳句欄、各選者。
2015年より初代俳都松山大使。2018年第44回放送文化基金賞(個人)、2019年テレビ愛媛賞。2021年NHK放送文化賞。
句集『伊月集龍』、『伊月集梟』、『おウチde俳句』(いずれも朝日出版社)、『世界一わかりやすい俳句の授業』(PHP研究所)、『食卓で読む一句、二句。お腹がぐぅ~と鳴る、17音の物語』(ワニブックス)、『NHK俳句夏井いつきの俳句道場』(NHK出版)、『ひらめく! 作れる! 俳句ドリル』(祥伝社)』など著書多数。



【第三回】
碓井俊樹(うすい・としき)
ピアニスト。東京藝術大学附属音楽高等学校および同大学を経て、ザルツブルク・モーツァルテウム芸術大学で研鑽を積む。ヴィオッティ国際音楽コンクール入賞、オランダミュージックセッションにてドネムス演奏賞、ウィーン現代前衛芸術団体TAMAMUより現代芸術特別賞、カントゥ国際音楽コンクール優勝など数多くの受賞歴を誇る。国内外のオーケストラのソリスト、国際音楽コンクールの審査員も務め、ウィーンを拠点に40カ国以上にて演奏活動、南極大陸をはじめ100カ国以上の渡航歴がある。平成29年度外務大臣表彰を受賞。ジョージア共和国シグナギ市名誉市民を称号を授与される。一般社団法人横浜シンフォニエッタ代表理事、日本香港音楽協会理事長(香港)、長野芸術文化振興協会音楽監督、兵庫県豊岡市“おんぷの祭典”音楽監督、上野学園大学客員教授。


第三回 種田山頭火授賞式レポート

【第二回】
伊藤比呂美(いとう・ひろみ)
1955年東京都出身。詩人、小説家。
詩集『草木の空』でデビュー、同年に現代詩手帖賞を受賞。80年代に『青梅』『テリトリー論』で注目される。また『良いおっぱい悪いおっぱい』『おなかほっぺおしり』などの育児エッセイでも話題に。1999年『ラニーニャ』で野間文芸新人賞、2007年『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞など受賞歴多数。詩集、小説はもちろん、『たそがれてゆく子さん』などのエッセイや訳書も多い。

©吉原洋一


第二回 種田山頭火授賞式レポート


第二回受賞 伊藤比呂美さんインタビュー


【第一回】
麿 赤兒(まろ・あかじ)
1943年奈良県出身。舞踏家・俳優。
64年より舞踏家土方巽に師事。その間唐十郎と出会い、状況劇場に参加。唐の「特権的肉体論」を具現する役者として、その怪物的演技術により演劇界に多大な影響を及ぼす。72年に舞踏集団「大駱駝艦」を旗揚げし、舞踏に大仕掛けを用いた様式を導入。天賦典式(てんぷてんしき)と名付けたその手法は、国内外問わず大きな話題となり「BUTOH」の名が世界のダンスシーンを席巻する。舞踏家・俳優・振付家・演出家としてあらゆるジャンルを越境し、舞台芸術の分野で先駆的な地位を確立している。

©白鳥真太郎


“踊る山頭火”に乾杯!


第一回種田山頭火賞受賞 麿赤兒さんより喜びの声!