坂口安吾 とは
坂口安吾(本名:坂口炳五、1906-1955)は、戦後無頼派を代表する作家です。「堕落論」や「白痴」といった作品が有名ですが、他にも、今なお読まれ続けているミステリの傑作『不連続殺人事件』や、2018年に野田秀樹さんが「贋作」と称して舞台化した「桜の森の満開の下」など、さまざまなジャンルの作品を残しています。
坂口安吾と春陽堂
安吾と春陽堂のつながりは、昭和6年に刊行された雑誌『文科』にはじまります。
安吾とも親交の深かった作家の牧野信一が主宰した、春陽堂刊行の雑誌『文科』に安吾は「竹薮の家」を4回にわたって寄稿しています。
『文科』は全4号で廃刊となりますが、牧野や安吾のほか、堀辰雄や嘉村磯多、稲垣足穂らの小説や、牧野と小林秀雄の共訳でエドガー・アラン・ポーの「ユレカ」(現在では「ユリイカ」)を掲載するなど、文学史に残る雑誌といえるでしょう。
その後、安吾は、春陽堂の雑誌『新小説』(1946年10月号)に、「いづこへ」という小説を掲載、翌年には、『いのちがけ』というタイトルで単行本も刊行しています。
その春陽堂が、『いのちがけ』刊行から70年以上の年月を経て刊行した安吾の書籍が『坂口安吾歴史小説コレクション』です。その後、『時代小説コレクション』など、複数の書籍を刊行してきました。
ここでは、安吾の作品や安吾関係者へのインタビュー記事などをご紹介します。
坂口安吾を読む
『残酷な遊戯・花妖』
今まで誰もその存在を知らなかった未発表原稿を安吾研究者と編集者によって発見! 新発見原稿『残酷な遊戯』を中心に、書籍での入手困難な『花妖』などを集めた短編集を刊行!
≪坂口安吾 エンタメコレクション≫
≪坂口安吾 歴史小説コレクション≫
安吾といえば、戦後文学を代表する『白痴』や『堕落論』が有名ですが、信長や家康といった歴史上の人物を主人公とした歴史小説も数多く残しました。春陽堂では安吾の歴史小説を集めた『坂口安吾歴史小説コレクション』(全3巻)を刊行、彼が歴史上の人物などをモデルに執筆した作品を、全3巻にまとめました。
≪関連書籍≫坂口安吾を辿る
『泥酔文学読本』
酒と文学はよく似ている──
陶酔を誘う文学と酒は、ともに摂取した者を別世界へ連れて行ってくれる。酒も文学も、その世界の心地よさにハマってしまうと、抜け出せなくなる。だから、読み続けるしかない、飲みつづけるしかない……
古今東西の文学作品に描かれてきた、様々なる酒と多様なる酔い方を紹介。すべての文学と酒愛好家に送る珠玉のエッセイ!!≪収録内容≫【泥酔する作家たち】坂口安吾の酒
『安吾疾風伝』
無頼派作家坂口安吾が、少年時代からいかにして「坂口安吾」となったか。
落伍者志願の不良少年が真実の探求者・坂口安吾となり、奇怪なファルス「風博士」を掲げるまでの、波乱に満ちた修行時代を、事実を基に描くオリジナル小説。
メディアサイト連載の坂口安吾
小社メディアサイトで掲載された坂口安吾関連記事をご紹介!
「安吾 風の館」坂口綱雄館長インタビュー
安吾が少年期まで生活していた新潟市西大畑に作られた「安吾 風の館」館長を務める、安吾の息子・坂口綱雄さんに父、母、そして一番好きな安吾作品など語っていただきました。
『安吾のいる風景』
安吾のご子息であり、カメラマンとしても活躍している坂口綱男さんが小社より刊行した『安吾のいる風景』(※絶版)収録のフォトエッセイの一部をご紹介します。息子の視点からみた安吾の姿を、坂口綱男さんの写真とともにお楽しみください。
新潟市生まれ。1919(大正8)年県立新潟中学校に入学。1922年、東京の私立豊山中学校に編入。1926年東洋大学文学部印度哲学倫理学科に入学。アテネ・フランセに通い、ヴォルテールなどを愛読。1930(昭和5)年同校卒業後、同人誌「言葉」を創刊。1931年に「青い馬」に発表した短編「風博士」が牧野信一に激賞され、新進作家として認められる。歴史小説や推理小説も執筆し、文芸や時代風俗から古代歴史まで広範に材を採る随筆など、多彩な活動をした。