女たちの静かで烈しい闘い──

大阪城の大奥にて豊臣秀吉の夫人たちが繰り広げる凄まじいまでの闘争。
それに翻弄される千利休の娘の行く末は──。
直木賞受賞2作品を収録した傑作短編集!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2023年9月の新刊、海音寺潮五郎『天正女合戦』のご紹介です。

『天正女合戦』

『天正女合戦』表紙イラスト

不世出の天下人・豊臣秀吉の寵愛する夫人たちの静かな対立──大坂城の大奥では、正室・北の政所まんどころ、蒲生氏郷の妹・三条殿、前田利家の娘・加賀殿の一派と、後に淀君となる茶々殿という半目の構造が水面下で起きていた。茶人・千の宗易(後の利休)の娘・お吟は、大奥に出入りして茶の湯を教えているが、この美しい夫人たちの烈しい女の闘いの渦に否応なく巻き込まれてゆく……。第三回直木賞に輝いた表題作「天正女合戦」「武道伝来記」、そして中国を舞台に人間の真相に迫る三話を収録した、海音寺潮五郎の傑作短編集!

『天正女合戦』(春陽堂書店)海音寺潮五郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2023/9/27
ISBN:978-4-394-90458-8
価格:1,078 円(税込)
著者紹介
海音寺 潮五郎(かいおんじ・ちょうごろう)
明治34(1901)年鹿児島県に生まれる。国学院大学卒業後、中学教師を勤めながら、創作活動を始める。『天正女合戦』と『武道伝来記』で第三回直木賞を受賞。『平将門』は歴史小説の先駆けとなった記念碑的大作。他に『武将列伝』『孫子』『天と地と』『西郷隆盛』『西郷と大久保』『幕末動乱の男たち』『江戸開城』など著書多数。史伝『西郷隆盛』がライフワークで絶筆、未完作となった。昭和52(1977)年死去。