ラーメンとステーキ食べて眼鏡かけて眠った

眼鏡を掛けたままねむってしまう。どういうことなんだろうとおもう。眼鏡を掛けたままねむるなんて、なんて勉強好きにみえるんだろう。いやそういうことじゃないし。眼鏡を掛けたままねむるなんて、なんて夢のなかがよりよく見えるんだろう。いつもより視界がはっきりしていて、あなたの顔もみえやすい。こんな顔してたんだとおもう。ちょっとやだな、と。いやそういうことじゃないし。

そういうことじゃないんだ、というかんじでねむる。そういうことじゃないんだよ。

むかし、ずいぶんうなされてたよ、といわれたことがある。それはわかった。ぼくも。ゆめのなかで。いまうなされてるな、って。だから、夢の内側と外側でおなじことかんじてたんだね、とわたしは言った。ふにゃふにゃしたかんじで。眼鏡どこなの、というかんじで。でも、それもぜんぶ夢だったかどうかもわからない。それから起きたのかもしれないし。ひとりだったのかも。すごいなひとりって。うわあ、と跳ね起きた後で。ひとり。なんか凄絶だ。とりあえず。今は眼鏡掛けてる。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター