秋になると会いにきてくれるギャング
深夜にラーメン屋さんでラーメンを食べていたら、となりにギャングのようなひとがすわり、しずかにラーメンをたべていた。
しばらくすると店のはしっこのほうにいたやはりギャングのようなひとが立ち上がり、わたしのほうにきた。
店内ではあったけれど遠くからやってきたギャングは、わたしの隣のギャングにあいさつをしてあたまをさげた。
わたしはごちそうさまでしたと言って杯をカウンターに置いた。
ギャングのふたりはうでとうでをくみかわし、あいさつをしあった。わたしの隣にいたギャングのひとが「きょうは足でやってきたんじゃない。車でやってきたんだ。運転してやってきたんだ」と言った。そうして遠くからやってきたギャングはもといた席に帰っていった。