ふえていくポッケの春のようなもの

春夏秋冬でいちばん気づきやすいのが春なんじゃないか。あ、春、っておもう。すこしつめたくすこしあたたかい風もそうだろうけれど、たくさんのにんげんと出会い、別れてきたからだの思い出もあるんじゃないかとおもう。今までの春をおもいだせと新しい春が言っている。これまでたくさんのひとと出会って別れたでしょう、と。

春が春を思い出させて、もっとかなたのまだ見たこともない春を予感させる。春のたびにどんどん春がふえていく。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター