追われても追われてもアップルパイを焼く
わたしはひとを怒らせることがおおい。できるだけ怒らせないようにしたいなとおもうが、怒り出してしまって、怒り出したひとをドーナッツを手に追いかけたこともあった。
有機栽培シナモンのドーナッツをわたしは手にしていた。わたしはそれを手に追いかけた。みちゆくひとたちが、おいおいあいつはドーナッツを手に怒ったひとを追いかけてるぜとわたしをふりかえった。わたしもせっかくのことだからときどきドーナッツを食べながら追いかけたが、こういうわたしが相手を怒らせてしまっていたのもわかっていた。
先生、とどういうわけかわたしはおもった。どうしてそうおもったかはわからない。わたしが人生でいままで出会った先生たちにわたしは先生とおもった。先生いまわたしはこんなことをしています、と。