時代小説の名手・柴田錬三郎の長編伝奇時代小説の〈粋〉、ここにあり!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
「眠狂四郎」の柴田錬三郎による長編伝奇時代物語『血汐笛』をご紹介します。

『血汐笛』

(春陽文庫『血汐笛』旧刊表紙)

ある春の宵、旗本・小普請組相馬修之進の娘由香は、虚偽の話に騙され駕籠に乗り、覆面の武士たちに拉致されそうになったが、通りがかりの浪人によるすさまじい剣に助けられた。その男の名は、きらら主水──。由香に頼まれ相馬邸に入った主水が遭遇したのは、敵か味方か、謎の男「笛ふき天狗」。一方、由香をつけ狙う武士集団を率いる暴力の権化のような覆面の男「血祭殿」、その背後で巨大な陰謀を企てる陰の勢力。そして次第に明かされてゆく、目に見えぬ宿縁の糸が織り成す綾──。一度読んでも、また読みたくなる、時代小説の名手・シバレンが放つ「王道」長編伝奇時代小説!
『血汐笛』上巻(春陽堂書店)柴田錬三郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2023/1/26
ISBN:978-4-394-90436-6
価格:968 円(税込)

『血汐笛』下巻(春陽堂書店)柴田錬三郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2023/1/26
ISBN:978-4-394-90437-3
価格:946 円(税込)

著者紹介
柴田 錬三郎(しばた・れんざぶろう)
大正6(1917)年、岡山県に生まれる。慶應大学在学中、『十円紙幣』を「三田文学」に発表し注目される。昭和26年「三田文学に発表した『イエスの裔』で第26回直木賞を受賞。『眠狂四郎無頼控』は圧倒的な人気を獲得し、円月殺法の眠狂四郎は混血の剣豪浪人として、戦後の時代小説を代表するユニークな存在となった。シバレン(柴錬)という通称でも名高い。
代表作に『眠狂四郎』『赤い影法師』『御家人斬九郎』『水滸伝』『徳川太平記』など多くあり、戦国・幕末を扱った作品が多く、剣客ブームを巻き起こした。