「これからの永倉新八の暴れ方をみていろよ」
時代小説の巨匠・池波正太郎の初期傑作短編集!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2023年10月の新刊、池波正太郎『竜尾の剣』のご紹介です。

『竜尾の剣』

『竜尾の剣』表紙イラスト

神道無念流の剣士として近藤勇道場の食客となり新選組結成に参加した永倉新八の血なまぐさい日々を描く表題作、気の進まない敵討ちを藩主から厳命された奥用人の息子と、助太刀に選ばれた藩士たちの旅路の意外な結末を描く「黒雲峠」、元同族の男が老齢にさしかかり自身の運命を狂わせた十四年前の惨劇を振り返る「抜討ち半九郎」、ひょんなことから山の湯宿に長逗留をした二人の旅人が、七千両を強奪した盗賊団が迫ることを知り意外な行動に出る「さいころ蟲」など、池波正太郎の多彩な魅力にあふれる初期傑作短編集。
(掲載作品:「竜尾の剣」「黒雲峠」「抜討ち半九郎」「さいころ蟲」「清水一学」)

『竜尾の剣』(春陽堂書店)池波正太郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2023/10/25
ISBN:978-4-394-90459-5
価格:946 円(税込)
著者紹介
池波正太郎(いけなみ・しょうたろう)
大正12(1923)年、東京・浅草に生まれる。昭和20年、鳥取の美保航空基地で終戦を迎える。25歳の時、作家・長谷川伸に師事し、脚本家になることを決意。37歳、「錯乱」で第43回直木賞を受賞する。池波正太郎の時代小説には、武将もの、剣豪もの、忍者もの、仇討ちもの、世話ものなど多種多様ある。池波人気を決定づけたシリーズである『鬼平犯科帳』『剣客商売』など江戸の市井人が描き出す人間模様を巧みにとらえることは池波作品の独壇場である。