なんとしても、あの秘伝書を奪い返さねば!!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2024年5月の新刊、池波正太郎『剣法一羽流』のご紹介です。

『剣法一羽流』

『剣法一羽流』表紙イラスト

伝説の剣豪・塚原卜伝に師事し常陸の国で一派を打ち立てた諸岡一羽斎は、このところ病状が悪化し床に就くことが多くなっていた。三人の弟子のうちで最も剣が立つ根岸兎角は、師匠の看病もよくしていたが、ある日剣の秘伝書を盗み失踪してしまう。残る二人の弟子、小熊と泥之助は激怒し、秘伝書を取り返すべくその後を追おうとしたが、師匠は二人が追うことを許さなかった。数年後、剣の腕を鍛え上げた小熊は江戸へ発ったが──。表題作「剣法一羽流」ほか、運命に翻弄されながら生き抜く男たちの姿を描く池波正太郎初期短編時代小説四作品を収録。
(収録作品:「そろばん虎之助」「闇討ち十五郎」「仇討ち街道」「剣法一羽流」)

『剣法一羽流』(春陽堂書店)池波正太郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2024/5/28
ISBN:978-4-394-90482-3
価格:990 円(税込)
著者紹介
池波 正太郎(いけなみ・しょうたろう)
大正12(1923)年、東京・浅草に生まれる。昭和20年、鳥取の美保航空基地で終戦を迎える。25歳の時、作家・長谷川伸に師事し、脚本家になることを決意。37歳、「錯乱」で第43回直木賞を受賞する。池波正太郎の時代小説には、武将もの、剣豪もの、忍者もの、仇討ちもの、世話ものなど多種多様ある。池波人気を決定づけたシリーズである『鬼平犯科帳』『剣客商売』など江戸の市井人が描き出す人間模様を巧みにとらえることは池波作品の独壇場である。