あの、「木枯し紋次郎」の笹沢左保、傑作時代小説!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2024年5月の新刊、笹沢左保『雪に花散る奥州路』のご紹介です。

『雪に花散る奥州路』

『雪に花散る奥州路』表紙イラスト

甲州山中の湯治場に、右腕の怪我を治療している渡世人がいた。かつて一人で大人数相手に斬り合ったことで評判の二本桐の武吉だった。そこに野州越堀の仁五郎親分の使いとして勘助が尋ねてきた。聞けば隣の貸元・佐久山の竹蔵に縄張りを狙われているので力を貸してほしいという。かつて世話になった仁五郎一家に加勢するため野州に向かう武吉と勘助。だが、越堀に辿り着くには敵の真っ只中を七十キロ以上くぐり抜けねばならない──
表題作「雪に花散る奥州路」ほか、非情な渡世人の世界に生きる男たちをリアルに描く股旅物シリーズから四作品を収録。

(収録作品:「雪に花散る奥州路」「狂女が唄う信州路」「木っ端が燃えた上州路」「峠に哭いた甲州路」)
『雪に花散る奥州路』(春陽堂書店)笹沢左保・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2024/5/28
ISBN:978-4-394-90483-0
価格:968 円(税込)
著者紹介
笹沢 左保(ささざわ・さほ)
昭和5(1930)年、神奈川県横浜市に生まれる。子どもの頃より探偵小説を愛読する。昭和27(1952)年、郵政省簡易保険局に勤務。初長編『招かれざる客』が江戸川乱歩賞次席になり、本格的な小説家デビューを果たす。昭和36(1961)年、『人喰い』で第14回日本探偵作家クラブ賞を受賞。昭和45(1970)年『見返り峠の落日』で時代小説に進出。翌年、「木枯らし紋次郎」シリーズがテレビドラマ化され、一大ブームを巻き起こす。推理小説、時代小説の両方で活躍。平成14(2002)年死去。