いちごとうふの微妙な優しさを保つ
会話をするたびにズレていく関係がある。なんでだろう。
ゲーム『MOTHER3』で、ネズミにだけはとてもやさしかったある人物は、すごく悪い人間になって主人公たちの前にたちはだかる。からだを改造されて。ことばもしゃべれなくなって。もう原型もとどめないくらいになって。でもかつてかれから愛されたたったいっぴきのネズミは言う。「ぼくにはとてもやさしいひとだったんだよ」。なんでだろう。
「なのかな」ばっかりだよ、この年になっても、と糸井重里さんが言っていた。こうなのかな、こうなのかな。「こうです」はないって。