風船付きの最後の最初に出会ったひと
手塚治虫のマンガ『ブラック・ジャック』には、人生の列車がでてくる。その列車には、いままでブラック・ジャックが出会ったひとびとが客として乗車している。ピノコもドクター・キリコも師の本間先生もいる。人生の列車の最後にブラック・ジャックは誰に出会ったか今、思い出せない。
あとから振り返って、あれが、最後の最初だったんだなあ、と思い返すことがある。あなたがこのファイナル・ステージのはじまりに立っていたひとだったんですね、と。なんどもなんども人生の段階に応じていろんなファイナル・ステージがちょこちょこくるので、わたしたちはそのたびに最後の最初のひとに出会うだろう。もしそのひとを思い出すことができたんなら、風船をもたせたい。かんしゃとして。