
おおきくなったりちいさくなったり、わるいことにおぼれたり
ときどきレイモンド・カーヴァーというひとを思いだしている。
たぶん、たべることが大好きで、おおきくなったりちいさくなったり、わるいことにおぼれたり、いいことにも、奇跡のようなことにもおぼれたひと。
かれは象のような背をまるめて、ソファーに吸い込まれるように内側に座り込みながら、「うんうんわかるわかる、そうだよね、人生ってハードなところがあるよ、うんうん」とうなずく。
「でもさ、いったいだれが・だれに・なにがおこるかなんてわかるんだろう。すごくふしぎなことなんだよね。だってそんなことふだん考えもしないでしょう。でも、きゅうにそれがやってくる。それがやってきたときには、もう、みんな、そのことの中心にいる。それってどういったらいいのかな。でもそれはわかっちゃうことなんだよね、そのときそこにいたひとびと、ひとりひとりが」
レイモンド・カーヴァーは短篇をたくさん書いた。こんなふうに言っている。
「さっさと片づける、ぐずぐずしない、次に進む」
そうしてチェーホフのこんなことばを愛した。
「やがて突然、すべての物事が彼の中で明確になった」
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