はじめからしまいまでいるかくれんぼ

こどもの頃、助け鬼という鬼に捕まって手を伸ばして待っていると、誰かが助けにきてくれる遊びがあったが、みんななんでそんなに必死な顔をして助けに来てくれるんだろうと手を伸ばしながら思っていた。

鬼につかまる危険もあるのに、それでぜんぶおわりになっちゃうかもしれないのに。

真っ赤な顔で、怒ったような表情でみんな助けにきてくれる。わたしの手にやってきた手がふれてわたしは解放されて走りだす。

わたしも怒ったような表情でだれかを助けにいけるだろうか。今の話だ。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター