呼ばれて返事をしてしまったところ
じぶんが呼ばれたところが、じぶんの場所だという考え方がある。
縁、といってもいいかもしれないけれど。
でも、呼ばれるだけじゃだめだろう。呼ばれて、つい、ふりかえってしまうことが重要だ。
呼ばれてついふりかえってしまったところがじぶんの場所になる。
角田光代さん原作・安藤尋監督の映画『月と雷』には、月と雷のようにその場にとどまらず、家族もつくらず、ずっとうろうろしつづけるひとびとが出てくる。
でも、うろうろしながらも、ときどき、かれらは互いに呼びかけあい、つい、ふりかえる。
家族、ってなんだろう。わたしの呼びかけに、ついふりかえってしまったひとのことだろうか。