白すぎて耳かどうかもわからない
むかしとてもなかのよかったひとがすごく白くて、よく、雪のなかにいるとわたしは見えなくなるんだよ、と言っていた。それはないでしょう、と思ったが、じっさい、それはなかった。そんなメルヘンなひとなのに、蹴られそうになるほど怒らせたことがあった。かのじょの顔がこおりつき、足にエネルギーをためているのがわかった。これからわたしを蹴るんだ、とわたしはおもった。すんでのところで蹴られなかったけれど。
白すぎて耳かどうかもわからない
むかしとてもなかのよかったひとがすごく白くて、よく、雪のなかにいるとわたしは見えなくなるんだよ、と言っていた。それはないでしょう、と思ったが、じっさい、それはなかった。そんなメルヘンなひとなのに、蹴られそうになるほど怒らせたことがあった。かのじょの顔がこおりつき、足にエネルギーをためているのがわかった。これからわたしを蹴るんだ、とわたしはおもった。すんでのところで蹴られなかったけれど。