最終回ですこし明るくなる

あかちゃんのくつしたがおちてるのをみて、ああいうのはだれかがせかいを平和にするためにあえておとしているのかもしれないよなとおもったりする。このせかいにはあかちゃんのくつしたをおとすための係りのひとが、いや、係りのあかちゃんがいて、この地球のあらそいごとのバランスをとるために母親のめをぬすんで、くつしたをおとしていく。みんな、それをみて、なごむ。あらそいがへる。あかちゃんは、しめいなんだもの、やむをえないの、とおもって、おちたくつしたを、ベビーカーからみおくっている。風に吹かれるあかちゃんのふわふわの髪。


【新刊】『もともと予報』(春陽堂書店)柳本々々(句)・安福 望(イラスト)
2019年5月から好評連載中『週刊もともと予報-ことばの風吹く-』がすてきなポストカードブックになりました! 24綴りとなっております。1枚ずつ切り離して飾るもよし、大切な方へのお便りに使うもよし、当連載と併せてお楽しみください。


『バームクーヘンでわたしは眠った もともとの川柳日記』(春陽堂書店)柳本々々(句と文)・安福 望(イラスト)
2018年5月から1年間、毎日更新した連載『今日のもともと予報-ことばの風吹く-』が本になりました。365句の中から104句を厳選。
ソフトカバーつきのコデックス装で、本が開きやすく見開きのイラストページも堪能できます!

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)
1982年、新潟県生まれ 川柳作家 第57回現代詩手帖賞受賞
安福 望(やすふく・のぞみ)
1981年、兵庫県生まれ イラストレーター