週刊もともと予報
－ことばの風吹く－ ／ 6月15日

だいきらい　虹になれないわたしたち

スヌーピータウンには、なんとなく、ときどき行く。

スヌーピーのステッカーに、「ゲームじゃない限りあなたから離れたりしない」と書いてあった。いいことばだ。ゲームでもないかぎり、あなたから離れたりしないよ。いつかつかえるきかいがきたらつかおうとおもう。きょうみたことはわすれて。

ウッドストックが犬小屋のうえでスヌーピーのまねをしている。「ひみつだけれどときどきあなたになろうとしてる」とそのしたにかいてあった。それもいいことばだとおもう。わすれないでいようとおもう。

「いつもそらをみあげてはふしぎにおもう、ということばもあった。いつもそらをみあげてはふしぎにおもう、あなたがいたりわたしがいたりすることを。わたしはそれをじっさいあなたに口に出していうこともある」「そう」

わたしは、よく、ひとりだ。ねむれないときもあって、ねなよ、とひとこといわれることもある。

スヌーピータウンには、なんとなく、ときどき、行く。ひとりで。

『もともと予報』（春陽堂書店）柳本々々（句）・安福　望(イラスト)

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