第43回直木賞受賞作「錯乱」復刊!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
復刊の記念すべき第一弾は、第43回直木賞受賞作「錯乱」収録の池波正太郎『錯乱』です。

『錯乱』

(春陽文庫『錯乱』旧版表紙)

信州松代藩十万石。馬廻りの藩士・平五郎は、温厚な人柄で城下に知られ、誰もが盤を囲みたがる好人物。隠居中の先代藩主・真田信之にも気に入られ将棋の相手をさせられるほどである。ある日、藩主の信政が突如卒倒、3日後に没して城下は騒然となった。その報を聞いた堀平五郎の目に、一瞬、異様な鋭い光が走った──。
第43回直木賞受賞作「錯乱」のほか、武士のあり方が変わりゆく時代に罪を犯したある藩士の行く末を描く「碁盤の首」、藩内抗争に翻弄される男の姿を描く「刺客」、謹厳で知られる火付盗賊改めの旗本の夜の顔は……「秘図」、幕末・明治の動乱を突き抜けた陸軍少将・霧の利秋こと中村半次郎を描く「賊将」の珠玉の四作品を収録。
『錯乱』(春陽堂書店)池波正太郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)/320頁
発行日:2022/9/25
ISBN:978-4-394-90423-6
価格:924 円(税込)

《電子版》

著者紹介
池波 正太郎(いけなみ・しょうたろう)
大正12(1923)年、東京・浅草に生まれる。昭和20年、鳥取の美保航空基地で終戦を迎える。25歳の時、作家・長谷川伸に師事し、脚本家になることを決意。37歳、「錯乱」で第43回直木賞を受賞する。池波正太郎の時代小説には、武将もの、剣豪もの、忍者もの、仇討ちもの、世話ものなど多種多様ある。池波人気を決定づけたシリーズである『鬼平犯科帳』『剣客商売』など江戸の市井人が描き出す人間模様を巧みにとらえることは池波作品の独壇場である。