文武両道の美男子、強くて、モテる。だけど《非の打ちどころ》だらけ──
わが道を行く《規格外》な快男児の大活躍!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2023年5月の新刊、南條範夫『傍若無人剣』のご紹介です。

『傍若無人剣』

(春陽文庫『傍若無人剣』旧版表紙)

加賀百万石の太守・前田利家の甥、前田慶二郎は、ひとたび戦場に出れば鬼神の働きをするが、太閤秀吉の小田原攻めに参陣させてもらえず力を持て余していた。慶二郎は、剣や槍では家中に並ぶ者なき腕前を持つ一方で、文学や風流に深く通じ、自他共に認める美男子で女にモテる……が、その実、短気で傍若無人で仕事が嫌い、片っ端から声を掛けるほどの女好き、一度に三升も飲む大酒飲みで、賭博も大好き……という《非の打ち所》だらけな、家中随一の要注意人物……。しかし、そんな目で見られていることなど意に介さず、我が道を走り続ける「規格外」快男児の大活躍!
『傍若無人剣』(春陽堂書店)南條範夫・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2023/4/18
ISBN:978-4-394-90445-8
価格:990 円(税込)

著者紹介
南條 範夫(なんじょう・のりお)
明治41(1908)年、東京・銀座に生まれる。代々医師の家の生まれ、東京大学法学部、経済学部を卒業。小説家のほかに経済学者の顔を持ち、長く大学で経済学の教鞭をとる。昭和31年「燈台鬼」で第35回直木賞を受賞。一躍人気作家となり、時代小説、歴史小説を執筆するようになる。
デビュー作『出べそ物語』。『子守りの殿』でオール讀物新人賞、『細香日記』で吉川英治文学賞を受賞。人気シリーズとして「月形兵庫シリーズ」はよく映像化されている。昭和54(1979)年死去。