なではたむらを忘れたか!」
徳川隠密と忍者の暗闘、怪異な山伏集団の跳梁……
自由を愛する山の民「撫衆」は山野を駆け抜ける!

戦後、数多の大衆小説を刊行し、池波正太郎・司馬遼太郎生誕100年を前に復刊を果たした≪春陽文庫≫。
2023年5月の新刊、山田風太郎『いだてん百里』のご紹介です。

『いだてん百里』


徳川幕府の金山総奉行・大久保長安は伊豆国天城峠にて、巨大な猪を1人で倒す女を目撃した。それこそは1日に四十里も山を駆けるという漂泊の山の民「撫衆」の、美しき野生の姫「お狩さま」の姿であった──。
時は慶長12年、江戸開府から数年経ち、徳川・豊臣の最終決着の予感があった頃。徳川隠密や忍者が暗躍し、「天城の義経」率いる撫衆たちにも、その異能を求めて各陣営が味方につけるべく接触してきた。しかし世人を避け争いを好まぬ撫衆たちは、時代の大渦に巻き込まれつつも、自由を求めて今日も山野を駆け巡る──。
『いだてん百里』(春陽堂書店)山田風太郎・著
本のサイズ:A6判(文庫判)
発行日:2023/5/26
ISBN:978-4-394-90443-4
価格:1,210 円(税込)

著者紹介
山田 風太郎(やまだ・ふうたろう)
大正11(1922)年、兵庫県に生まれる。父母ともに代々医者の家系で本人も東京医科大学を卒業。昭和23(1948)年『眼中の悪魔』で第2回探偵作家クラブ賞を受賞。昭和33(1958)年に発表した『甲賀忍法帖』を皮切りに忍法帖もので流行作家となる。伝奇小説、推理小説、時代小説など多種多様な小説を書き、戦後日本を代表する小説家の一人である。『魔界転生』『忍法帖シリーズ』では、奇想天外なアイデアを用いた作家として知られている。平成13(2001)年死去。