春陽堂書店この冬の新刊、作家・町田康さんによる『入門 山頭火』のご案内です。
2024年1月には作家・藤沢周さんをお迎えしてのトークイベントが開催されます。


【新刊】『入門 山頭火』

ただの酒飲みか、偉大なる俳人か 流浪する民か、真実の僧か——
町田康が自由律俳人に挑む。

 古から現代に至るまで、なんやら日記、という本は仰山出ているが、その中でも山頭火が遺した「行乞記」「其中日記」は突き抜けて興味深いものに、俺なんかは感じる。

 なぜそう思うかというとそこに嘘がないからで、ここには思ったこと・感じたことについても、それを言葉として自分の外に出したら、なんだかわからないがどえらいことになるのではないか、なんてことについても、変に曲げず直球で書いてあるからである。(『入門 山頭火』「後書きにかえて」より)

「人間のどうしょうもなさ、を見て戦慄する。なぜならそれが間違いなく俺の中にあるものであるからだ」

——『入門 山頭火』本文より
作家・町田康が自由律の俳人・種田山頭火の生涯と俳句をめぐる文芸エッセー。
既存の「山頭火」論に全く縛られることなく、筆者が感じたままの句、そして種田山頭火を思う儘に濃厚に語ります。

【『入門 山頭火』目次】※クリックで別ウィンドウが開きます

◆大竹まことさんのラジオでも紹介されました◆
<【大竹メインディッシュ】2024年1月22日放送>

『入門 山頭火』町田 康・著
本のサイズ:四六判/上製/320頁
発行:2023/12/5
ISBN:978-4-394-90467-0
価格:2,200 円(税込)



【関連コンテンツ】「町田康のパンク山頭火ラヂオ」~YouTube

『Web新小説』(現・『Web新小説図書館)にて連載した、町田康さんが「徒然なるままに放浪の俳人・種田山頭火について語る」スペシャルプログラムです。
期間限定で一般公開中。
【Val.1 山頭火とはどんな人物か?】




著者紹介
町田 康(まちだ・こう)

作家。1962(昭和37)年大阪府生まれ。 1981年 「INU」のボーカリストとして歌手デビュー。 97年に小説 『くっすん大黒』でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞受賞。2000年に 『きれぎれ』で芥川賞、01年に詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞を受賞するなど、著作・受賞歴多数。近著に『しらふで生きる大酒飲みの決断』(幻冬舎)、 日本最古の神話「古事記」を現代語訳した『口訳古事記』(講談社)が話題を集める。

種田 山頭火(たねだ・さんとうか)
自由律俳句の俳人。 荻原井泉水に師事。 1882(明治15)年生まれ。 本名正一。1925年、出家得度。耕畝こうほと改名。その後、各地を行乞・放浪し、1万2千余りの句を詠み、 今もファンが多い。1940(昭和15)年10月11日、一草庵で死亡。 享年57歳。