えいえんに苺ではないわたしたち
にゃーん、ってたとえば言われた場合、どういう風に返事するのが正しいのかなあとふっと考えたりした。
たぶん、にゃーん、ではないだろう、と思う。それだとなんだかにゃーんの罠にはまってしまうきがするから。
でも突然襟を正して、にゃーんってどういうことですか? って詰問するのも違うと思う。にゃーん、に意味なんかないし、にゃーんは時々意味が与えられないような愛をめぐっているときもあるんだから。
私は戦争のドキュメンタリーえいがをみながらそんなことを考えていた。彼らはおとなになれない、という意味のタイトルの戦争映画だった。最初はゆるやかにハッピーで、真ん中はぐちゃぐちゃに悲惨で、最後はわたしたちの問題になる、そんな映画だった。でもみんなしんだからおとなにはなれない。
にゃーんの正解はなんだろう。
また会いたいです、と返事するのもひとつ正しいのかなとふっと思った。でもわたしはよく間違える。こんどそういうときは間違えるつもりでそういおうと思う。
えいがはつづいている。
「永遠の疑問 いつ苺になる?」ということばをふっと映画で見て、写真に撮って、翌日ゆうじんに写真ごと伝えた。
『バームクーヘンでわたしは眠った もともとの川柳日記』(春陽堂書店)柳本々々(句と文)・安福 望(イラスト)
2018年5月から1年間、毎日更新した連載『今日のもともと予報 ことばの風吹く』の中から、104句を厳選。
ソフトカバーつきのコデックス装で、本が開きやすく見開きのイラストページも堪能できます!
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┃この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)
1982年、新潟県生まれ 川柳作家 第57回現代詩手帖賞受賞 安福 望(やすふく・のぞみ)
1981年、兵庫県生まれ イラストレーター
1982年、新潟県生まれ 川柳作家 第57回現代詩手帖賞受賞 安福 望(やすふく・のぞみ)
1981年、兵庫県生まれ イラストレーター